リストラは、社会の仕組み
会社のリストラというのは、社会の仕組みの一部だ。
古くなって不要になったモノは壊されて、新しいモノが作られる。
スクラップ&ビルドというやつだ。
だが、それに巻き込まれてしまった場合は、なかなかそれが受け入れられない。
昨日まで続いていた生活が、明日からも続くものだという錯覚から、なかなか逃れられない。
私などは貧乏な家に生まれたので、企業や公務員の給料がもらいすぎだとわかっているが、もらっている本人はそれが当然だと思っている。
しかし月給30万以上もらっている人は、21世紀はいつでも仕事が無くなる可能性があるんだと肝に銘じておくべきだろう。
製造業ではそんな高給が可能でも、サービス業ではそうはいかないからね。
雇用契約は、1年ごとの契約
さて雇用契約というのは、昔は期限をハッキリ定めない契約が多かったのだが、最近は1年ごとの再契約になっているところも多いだろう。
だから1年ごとに雇用契約が更新されていけば、給与・年俸の増減はあっても仕事し続けることができるが、契約が更新されない場合は仕事はなくなるってことだ。
たいていの仕事の場合、新しく人を雇うよりも、今働いている人を再雇用する方がコストが安いので、事業がそこそこうまく行っているウチは契約が更新される可能性が高い。
契約が更新されるかどうかは、更新時期が近づけばわかってくるが、更新されない場合は、契約満了と言うことになる。
この場合は解雇と言うことにはならないので、あらかじめ注意しておこう。
フリーランスで働いてる人間にとっては、こんなコトは当たり前のことなんだけれど、会社に依存してしまっている人にはショックなことかも知れない。
残念だけど、企業というのは社員に給料を払うためにあるわけではないってことは、肝に銘じて働かねば。
ただ、まだ契約期間が残っているのに、いきなり解雇というのは違法だ。
違法解雇と合法解雇、何が違う?
労働契約が満了する前に、従業員をいきなり解雇することは、よほどの理由がない限りできない。
民法ではまず、『解雇予告』を30日前に行わなければならないとある。
即日解雇の場合は、同日数分以上の賃金を払って首にしなければならない。
ただし、30日前ならいつでも誰でも解雇できるかというとそうではなく、合理的な理由もないといけない。
でなければ、権利の濫用(乱用)としてペナルティを課される。
これは労働基準法や労働契約法の規定だ。
で、その合理的な理由が何かというと、
- 社員の側に何か非がある場合(普通解雇、懲戒解雇)
- 経営不振による人員整理の場合(整理解雇)
リストラによる解雇は整理解雇にあたるが、この整理解雇を合理的な理由で行なうにはいくつかの要件を満たしていなければならない。
●人員削減の必要性がある。
会社を存続させるためには、人員整理をするしか方法がないという状況。
●解雇を回避するための努力をしている。
新規採用を中止したり、希望退職を募る、などの努力をしているか。
●解雇される対象者の選定基準が合理的である。
●妥当な解雇手続きが行なわれている。
労働組合や社員に対して、解雇の必要性などについて誠意を持って説明しているかどうか。
これらの要件を満たしていない解雇の場合は、労働基準監督署に不服申し立てを行なうことができる。